「成長と分配の好循環を」春闘、本格的に開始 労使フォーラム

2025/01/31 17:04 

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 主要企業の労使代表らが意見を交わす経団連の「労使フォーラム」が31日、東京都内で開かれ、2025年の春季労使交渉(春闘)が本格的に始まった。5%以上の賃上げを定着させ、中小企業にも波及させられるかがポイントになる。

 経団連の十倉雅和会長は冒頭のあいさつで「デフレからの完全脱却や分厚い中間層の形成、成長と分配の好循環の実現に向けた重要な局面を迎えている」と指摘。「賃金引き上げの勢いを定着させるには、賃金は上がっていき、適正な価格転嫁と販売価格アップを受け入れるという考え方を(社会に)浸透させる必要がある」と訴えた。

 連合は25年春闘で、全体では定期昇給分を含めて昨年同様の5%以上、中小企業では大手との格差是正のため6%以上の賃上げを要求する方針を掲げている。芳野友子会長は労使フォーラムで「大手企業と中小企業の格差を解消することが、25年春闘の大きな課題の一つだ」と訴えた。

 24年春闘の平均賃上げ率は5・1%(連合集計)で1991年以来33年ぶりの高水準となった。一方、原材料価格の高騰などを背景とする物価上昇に賃金上昇が追いつかない状況が続いている。【塩田彩】

毎日新聞

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