日産、ホンダに経営統合協議の打ち切りを伝達 両社長が会談

2025/02/06 17:57 

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 日産自動車の内田誠社長が6日午前、東京都内のホンダ本社を訪問し、ホンダの三部敏宏社長と会談。経営統合の協議を打ち切り、白紙撤回する方針を固めたことを伝えた。日産はホンダから打診された日産の子会社案を拒否する構え。国内自動車大手2社による統合計画は、破談となる可能性が高まっている。

 日産は5日に取締役を集め、ホンダから打診があった日産を子会社化する案について議論した。今回の経営統合について日産は「対等の関係」と強調してきた。そのため社内には「ホンダの子会社化の提案が強引」との意見が根強く、協議の打ち切り方針を固めた。

 両社は5日、「2月中旬をめどに方向性を定め、発表する」とのコメントを出した。

 ホンダと日産は昨年12月、2026年8月をめどにした経営統合を目指し、本格的な協議を始めることで合意。両社は新たに持ち株会社を設置し、傘下にそれぞれの会社が入る形での経営統合を目指すと発表していた。

 ホンダの三部氏は「(統合は)ターンアラウンド(事業再生)が絶対条件だ」などと話し、業績不振に陥った日産が事業再生計画を取りまとめ、リストラを断行することを統合の前提としていた。

 日産は昨年11月、国内外で9000人の人員を削減し、車両の生産能力を2割削減する計画を発表した。しかしその具体化は難航。ホンダは日産を子会社することで経営の主導権を握り、経営改革をしようと新たに子会社化案を示した。

 ホンダと日産は当初、1月末をめどに、統合協議の継続など、今後の方向性を決めるとしていたが延期。2月中旬にも明らかにする方針となっている。【秋丸生帆】

毎日新聞

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