日本郵政社長、顧客情報の不正流用で謝罪 「研修を徹底する」

2025/03/26 18:39 

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 郵便局がゆうちょ銀行の顧客情報をかんぽ生命保険の保険営業などに不正に流用していた問題で、日本郵政の増田寛也社長は26日開いた記者会見で「不正流用を引き起こしたことに改めておわび申し上げる」と謝罪した。金融庁はグループ各社に保険業法などに基づく報告徴求命令を出している。

 不正では、ゆうちょ銀行が持つ貯金情報を無断で使い、郵便局の窓口で保険や投資信託商品の勧誘に利用していた。事前の同意なく使われた個人情報は延べ998万人分。増田氏は「個人情報の扱いは年々、センシティブで厳しくなっている。(今回の事案は)ずさんな扱いが背景にあり、特にグループ統制が不十分だった」と話し、再発防止に取り組むとした。

 郵政グループでは、配送前の点呼不備や酒酔い運転の発覚、委託事業者への不当な違約金徴収など、法令違反事案が相次いでいる。増田氏は「初動や基本動作にも問題がある。関係者の裾野は広いが、不正が起こらないよう研修などを徹底するほかない」としている。

 国会で郵政民営化法改正案を提出する動きがあることについては「立法府で決める仕組みは最大限尊重しなければならない」とする一方で、金融2社への規制の緩和を希望した。【藤渕志保】

毎日新聞

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