今夏の電気ガス補助月1000円程度 武藤経産相「昨夏より負担減」

2025/05/27 10:32 

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 武藤容治経済産業相は27日の閣議後記者会見で、7~9月の電気・ガス補助金で一般家庭の負担を月1000円程度軽減すると発表した。加えて重点支援地方交付金を1000億円積み増して、中小企業などを支援する。政府が同日閣議決定した予備費約3900億円をこれらの支援に充てる。武藤氏は補助金により、「7~9月の電気料金は昨年より下がることが見込まれる」と強調した。

 電気補助金は、一般家庭向けで7月と9月は1キロワット時当たり2・0円、使用量の多い8月は同2・4円を補助額とする。

 電気・ガス補助金は2023年1月、ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格高騰を受けて始まった。燃油価格の下落とともに補助幅を縮小し、24年5月にいったん終了した。しかし、岸田文雄政権は24年8~10月に「酷暑対策」として再開し、石破茂首相誕生後も25年1~3月に補助額を縮小して復活させた。これまでに投じた予算は約4・3兆円だったが、今回の措置で更に膨らんだ。

 22日から1リットル当たり最大10円の定額支援に制度を組み替えたガソリン補助金と合わせ、脱炭素に向かう政府の方針と逆行するとの指摘が少なくない。武藤氏は与党からの要請を受け、検討した上で措置を決めたとし、「脱炭素の見地から言っても、いつまでも続けられるものではないが、今の国民生活のいわゆる苦労を鑑みながら酷暑対策を引き続き(措置)させていただいた」と述べた。【中島昭浩】

毎日新聞

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