備蓄米の引き渡し始まる アイリスグループの精米工場に到着

2025/05/29 10:07 

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 随意契約による政府備蓄米は29日、購入した事業者への引き渡しが始まった。1万トンを購入した生活用品大手アイリスオーヤマ(仙台市)のグループ会社には、同日午前に12トンの備蓄米を積んだトラックが到着した。6月2日にもネット通販や店頭で販売開始する予定。価格は5キロ2160円。

 備蓄米を受け入れたのは「アイリスアグリイノベーション」。宮城県亘理町の精米工場に運び込まれた。抜き取り検査を経て、精米・出荷される。アイリスオーヤマは精米から流通、販売まで一貫してグループ会社で担う。

 販売はネット通販サイトのほか、一部は神奈川県や千葉県などにあるグループ会社のホームセンターで備蓄米と分かるシールを貼り、店頭に並べる。ネット購入は1人当たり毎月1点に限定し、会員登録が必要になる。

 引き渡しに立ち会った農林水産省東北農政局の菅家秀人局長は「迅速に対応いただいた。確実に搬入されたことは大臣にも報告したい。各社でこういった動きが加速度的に進んでいくと思うので、動向を注視していく」と話した。

 備蓄米は高騰が続くコメ価格を引き下げるため、農林水産省が3月に放出を始めたが、効果は限定的だった。5月26日に備蓄米の売り渡しを一般競争入札から随意契約に変えたところ、申請が殺到し、いったん中止となった。【山中宏之】

毎日新聞

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