「トランプ関税」に差し止め命令 即日上訴で関税停止するか見通せず
米国際貿易裁判所は28日、トランプ米政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動した「相互関税」などの差し止め命令を出した。違法だとして10日以内に関税を停止するための行政命令を出すよう命じている。米メディアによると、トランプ政権は即日上訴しており、実際に関税が停止になるかは不透明だ。日本など各国と進める関税交渉にも影響が生じる可能性がある。
違法判決が出たのは、トランプ政権が合成麻薬の米国への流入対策の不備を理由に2月に発動を決めたカナダ、メキシコ、中国に対する制裁関税と、4月に発表した全ての貿易相手国に対する最大50%の相互関税の4種類。いずれもIEEPAを根拠にしており、米国内の中小企業などが「違法」として訴訟を起こしていた。
裁判所は判決で「IEEPAが無制限の権限を付与するものとは解釈できない。IEEPAの下で課された関税は無効とする」と明記。これらの関税を「永久に停止」するようトランプ政権に命じた。
米憲法は原則として関税措置の権限を議会に与えており、大統領には権限がない。トランプ大統領は議会の審議を経ずに速やかに関税発動するためにIEEPAを利用したとみられる。
IEEPAは米国が「異例で重大な脅威」にさらされている場合に緊急事態を宣言し、大統領権限で経済取引を規制できると示しているが、関税の発動が可能とは明記していない。裁判所は「大統領の権限を逸脱している」と判断したのに加え、トランプ政権が主張する「米国の巨額の貿易赤字」がIEEPAが想定する「脅威」にも該当しないと切り捨てた。
◇裁判所の差し止め命令効力停止も申し立て
米紙ワシントン・ポストによると、トランプ政権は、即日上訴に加え、裁判所の差し止め命令の効力停止も申し立てるとみられる。ホワイトハウスのデサイ副報道官は「国家的緊急事態にどう適切に対処すべきかを決めるのは判事ではない」と反発しており、関税が停止するかどうかは見通せていない。
日本は関税措置の撤廃を求めてトランプ政権と協議中。司法判断に従えば、上乗せ分を含めて24%の相互関税は無効になる。一方で、日本が最も重視する25%の自動車関税や鉄鋼・アルミニウム関税は、通商拡大法232条に基づく措置で今回の違法判決の対象外だ。日本政府関係者は「トランプ政権が裁判所の判決を守るかどうかも分からない。従来通りの方針で交渉を続けていく」と冷静に対処する考えだ。【ワシントン大久保渉、金寿英】
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