ドコモ、住信SBIネット銀を買収へ 出遅れていた銀行業に本格参入

2025/05/29 20:25 

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 NTTドコモは29日、SBIホールディングス(HD)傘下のインターネット銀行大手「住信SBIネット銀行」を連結子会社化すると発表した。買収額は約4200億円を見込む。携帯大手各社の中で唯一ネット銀行を抱えていなかったドコモが銀行業に本格参入する。

 またドコモの親会社NTTは同日、SBIHDと資本業務提携を結ぶことも発表。NTTがSBIHDに約1100億円を出資し、金融事業を中心に両グループの結びつきを強める。

 日本国内のモバイル契約者数の飽和状態などから、携帯大手各社は金融事業に力を入れている。KDDI、ソフトバンク、楽天は既にネット銀行を傘下に置いているが、ドコモは出遅れていた。住信SBIネット銀は口座開設や決済などの機能を企業に提供するサービスなどに強みがあり、ドコモの国内シェアトップの顧客基盤を生かして相乗効果を高める。

 ドコモは5月30日から7月10日まで株式の公開買い付け(TOB)を実施するほか、SBIHDが保有する約34%の株全てを買い取り、持ち株比率で計約66%の株取得を目指す。住信SBIネット銀の株は三井住友信託銀も約34%保有しているが、その持ち分は維持したままドコモと三井住友信託銀を株主とし、上場廃止となる見通し。

 29日に東京都内で開いた記者会見で、NTTの島田明社長は「資本業務提携を通じてデジタル技術と金融サービスを融合させ、金融領域を中心にさまざまな領域で革新的なサービスを市場に提供していきたい」と話した。【町野幸】

毎日新聞

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