日本の魚食文化に危機…9割超「魚介類の量減少」感じ 料理人ら調査
豊富な魚種や高い調理技術で世界に誇れる日本の魚食文化が、今、危機に陥りつつある。深刻な不漁により、飲食店で魚が入手困難になる事態が相次いでいる。水産資源の持続的利用を訴える料理人らで作る団体が初めて実態調査を行い、結果を公表した。
調査を実施したのは、持続可能な水産資源の利用や豊かな食文化の継承を目指す料理人でつくる「シェフス・フォー・ザ・ブルー」(佐々木ひろこ代表理事)。調査は5月15~29日に行い、有効回答は1301人からあった。すし、日本料理、フランス料理、イタリア料理など、魚を食材として使う多くのジャンルの店舗のオーナーや食材調達担当者が回答した。
アンケート結果をみると、「市場に流通する魚介類の量」に関する質問では95・2%が、10年前と比較して「減少した」と回答した。「魚種の選択肢」についても、減少したとの答えは78・1%に上った。魚介類の仕入れの今後については72・7%が「危機感がとても大きい」と答えた。さまざまな食材が値上がりしているが、価格高騰や入手困難さが顕著なのが魚介類だという。
料理人チームのメンバーで、江戸前すし「日本橋蛎殻町すぎた」の主人・杉田孝明さんは「豊洲市場に毎日通っているが、ほぼ全ての魚が減っており、良いものも少なくなってきている」と明かす。特に、すしで欠かすことのできないコハダは漁師から「漁に出ても海にいない」と言われて仕入れることさえできないとし、「こうしたことはこの1、2年で激しく感じるようになった」と深刻な現状を説明する。
日本料理「てのしま」のオーナーシェフ・林亮平さんも「だしに使う天然の真昆布がほとんど出回っておらず、他に(自身の)地元の瀬戸内で取れる地物の貝類、シャコ、イイダコなど、挙げたらキリがないくらい。料理に使える種類は目に見えて減っている」と嘆息する。
料理人らは2日、小泉進次郎農相と森健水産庁長官の元を訪れ、調査結果を説明した。さらに、魚の取り過ぎを防ぐ資源管理を確実に進めるため、国の調査・評価予算と人員の拡充や、科学的根拠に基づいた漁獲量の上限を設定することなどを求める提言書を手渡した。小泉氏は「危機感を持って受け止め、政策に反映していきたい」と応じた。【町野幸】
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