KDDI新社長・松田浩路氏、ドローン事業に意欲 自社の通信網活用

2025/07/14 18:05 

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 「つなぐチカラ」。4月に就任したKDDIの松田浩路社長が掲げたビジョン「夢中に挑戦できる会社」のキーワードだ。一例が、JR高輪ゲートウェイ駅直結のビルに移転した新本社でローソンなどと進める「未来のコンビニ」。ロボットによる陳列や清掃、人工知能(AI)エージェントによる業務量の可視化と改善策提案などの取り組みを進める。デジタル技術で人手不足や食品ロスなど小売店の課題解決を目指す。

 自社の通信網を活用したドローン事業も加速させる。ドローンによる監視や工事現場点検のサービスなどの売り上げが伸びている。2024年には石川県庁や同県警とAIドローンを使った実証実験も実施。パトカーより早く交通事故現場を撮影したり、行方不明者を捜索したりする。

 離島や山間地への、食料品や薬品など緊急物資のドローンによる配送も需要拡大が期待される。まだ運べる重さが限られ、事業の本格化には至っていないが、松田氏は「まず監視・点検事業を通じてドローンの市民権を得ていく。テクノロジーの進化を待ちながら輸送にも力を入れる。両輪でやる」と意気込む。

 離島が多い日本でドローン輸送システムを構築できればパッケージごと輸出できるといい「世界に広めるところまで目指したい」と語る。【植田憲尚】

毎日新聞

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