6月の米消費者物価指数2.7%上昇 関税強化策が影響か

2025/07/15 22:57 

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 米労働省が15日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2・7%の上昇となり、前月(2・4%)を上回った。伸び率は市場予測(2・6%)も上回り、4カ月ぶりの水準となった。トランプ米政権による関税強化策が物価上昇(インフレ)に影響し始めた可能性がある。

 食料品は3・0%上昇し、伸び率が前月(2・9%)から小幅に拡大した。中古車も2・8%上昇で、前月(1・8%)から拡大した。一方、家賃など住居費は3・6%上昇したが、伸び率は前月(3・9%)に比べ鈍化した。変動の大きなエネルギーと食料品を除くコア指数も2・9%上昇で、伸び率が前月(2・8%)から加速した。

 トランプ政権の関税引き上げに伴うコストについて、米企業が徐々に販売価格へ転嫁し始めているとみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、関税の影響が今夏にも本格化してインフレが再燃する可能性があるとみて、6月まで4会合連続で政策金利を据え置いた。

 CPIの結果を受け、市場では次回7月会合でもFRBが利下げを見送るとの見方が強まった。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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