「未来なくなるのと一緒」 日産生産終了で地元に落胆広がる 神奈川
経営再建中の日産自動車が15日に発表した2027年度末に追浜工場(神奈川県横須賀市)で、26年度末に日産車体湘南工場(平塚市)で車両生産を終了するとの計画に、地元では落胆が広がり、地域経済への影響を危惧する声が相次いだ。
追浜工場で車両生産に関わる従業員は約2400人に上る。勤務する60代男性によると、午後2時半ごろ、来訪したイバン・エスピノーサ社長が従業員を集めて直接説明。同僚たちと共に静かに聞いた男性は「やっぱりかという雰囲気だったが、さみしい。若い世代はこの先を考えないといけない」と残念そうに語った。
1961年に操業した工場近くにある追浜駅前の商店街。日産の従業員は、地元の夏祭りで毎年みこしを担ぐなど地域に根付いていた。商店を営む80代女性は「ここからまた頑張ってくれるだろうと思っていたが、残念という言葉では言い切れない」と嘆き、製菓店を営む男性(65)は「日産がなくなるとこの街は厳しい。未来がなくなるのと一緒」と将来を憂えた。
日産は追浜工場が立地する追浜地区の総合研究所や衝突試験場などの機能を継続させるとしているが、横須賀商工会議所の平松広司会頭(75)は懐疑的だ。「車を造らなくなれば工場全体が閉鎖に向かっていくと思う」との見方を示し、「横須賀経済にとって大きな衝撃だ。商工会議所としても会員向けの説明会を開き、今後の影響を各社で共有したい」と述べた。
湘南工場がある平塚市でも衝撃が広がった。日産車体と取引のある業者の一人は、「残念だとしか言い様がない。市内のにぎわいにも影響するだろう」と嘆いた。その上で「湘南工場の従業員も苦しいだろうが、下請け企業も同じくらい大変。今後どうなるか知りたい」と語った。
一方、日産がグローバル本社を置く横浜市では、山中竹春市長をトップとした対策本部会議を急きょ開催。日産と取引がある市内の企業は800社に上り、特別経営相談窓口を設置することを申し合わせた。山中市長は「中小企業は物価高騰や人材不足で既に苦しい状況にある。裾野が広い自動車産業で、今回の事態は非常に遺憾だ。市内の企業や働く人、その家族を一丸となって支援する」と述べた。【矢野大輝、横見知佳、福沢光一、澤圭一郎】
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