日産、地元自治体や取引先と対話開始 神奈川2工場の生産終了発表で

2025/07/18 21:54 

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 日産自動車が追浜工場(神奈川県横須賀市)と日産車体湘南工場(平塚市)での車両生産終了を発表したことを巡り、同社は18日、地元自治体や取引先企業との「対話を開始した」と明らかにした。イバン・エスピノーサ社長は同日までに、黒岩祐治知事や山中竹春・横浜市長と相次いで面会。雇用対策などの協議が今後進められるとみられる。

 日産の発表によると、同社は18日に主要取引先のサプライヤー(部品供給企業)を対象に説明会を開催した。車両生産を日産九州(福岡県苅田(かんだ)町)に移管する全体方針などを説明したという。労働組合との正式な協議も開始する予定だとしている。

 黒岩祐治知事は前日の17日夜、県庁でエスピノーサ社長と非公開の面会をした。黒岩知事によると、エスピノーサ社長は冒頭、生産終了により「県内経済に与える影響は理解している」と話し、謝罪したという。

 黒岩知事は取材に「残念だが、日産は神奈川ゆかりの会社。一日も早く再生してほしい」と述べ、近く雇用面の対策などについて日産や関係自治体と協議する会議を開くことを明らかにした。

 また、山中市長も17日、市役所でエスピノーサ社長と面会。経済対策や自治体への迅速な情報提供などを要請した。面会後の取材に「工場閉鎖の発表は非常に突然で遺憾だ。今後は迅速で透明性のある情報提供に努め、最大限の対策を取ってもらいたい」と話した。

 横浜商工会議所の上野孝会頭には、日産が生産終了を発表した15日の段階で、日産の後藤収・理事渉外担当役員から電話で連絡があったという。上野会頭は18日の定例記者会見で「雇用の維持と共にサプライチェーン(部品供給網)への影響も十分配慮してほしい」と語った。【蓬田正志、岡正勝、葛西大博】

毎日新聞

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