関電、福井・美浜原発敷地内で地質調査の再開検討 新増設に向け

2025/07/18 23:07 

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 関西電力が美浜原発(福井県美浜町)の敷地内で地質調査の再開などを本格検討していることが18日、分かった。地質調査は原発の新増設に向けた最初のプロセスとなる。新増設が実現すれば、東日本大震災以降で初めてとなる。

 関電が来週にも、地質調査再開を発表し、地元に説明する。関電は2010年に老朽化した美浜原発1号機の後継機設置に向けた地質調査などを始めていたが、11年の東京電力福島第1原発事故の影響を受けて中止していた。美浜原発では現在、3号機が稼働しており、1、2号機の廃炉が決まっている。

 政府が2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画では、原発について「可能な限り依存度を低減する」との文言を削除し、原発回帰の姿勢を鮮明にしたうえで、廃炉を決めた原発の敷地内などで次世代炉への建て替えを進める方針を示していた。

 関電も新増設を検討する姿勢を続けてきたが、地質調査の再開は具体化に向けて大きな一歩となる。一方、原発の新設には巨額費用がかかるため、資金確保や政府の支援策などが焦点となりそうだ。

 関電は18日、「国の方針などを踏まえ、新増設・リプレース(建て替え)について、しっかりと検討していくべきタイミングに来ていると考えているが、具体的な計画について現時点で決定した事実はない」とコメントした。【妹尾直道】

毎日新聞

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