LUUPアプリ起動、田園都市線運休で5倍超 進む普及、違反者は増

2025/10/11 15:07 

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 10月6日の月曜日、電動キックスケーターや電動アシスト自転車のレンタル希望者が急増した。東京・渋谷周辺でのことだ。この日は東急電鉄で、田園都市線の渋谷―鷺沼間と大井町線の二子玉川―溝の口間が運転休止となっていた。

 シェアリングサービス「LUUP」(ループ)を展開するLuupが自社アプリの6日の起動状況を調べると、田園都市線の渋谷―二子玉川間の7駅周辺では前週の月曜日の3倍の多さだった。午前7時台に限ると5倍以上だった。

 田園都市線では5日深夜、梶が谷駅(川崎市)で列車同士の衝突事故が起きた。翌日まで運転休止が続き、沿線住民があわてて通勤通学の手段にしようとした可能性が浮かぶ。実際に6日は、渋谷―二子玉川間の周辺にある車両の多くが借りられた。

 LUUPの利用者は、車両が止めてあるポートで借りる際、返却するポートを指定しなければならない。その返却先の希望が渋谷駅周辺に集中し、ピーク時には希望が通らない事態が続出したという。

 車両に余裕があるポートから不足しているポートへの車両の移動も、同社は普段より回数を増やして対応した。「あの日は不足しているポートが東急沿線に極端に偏っていた」と担当者は振り返る。

 非常時の移動手段として注目された電動キックスケーターだが、普及が進むにつれて交通違反は増えている。

 一定の条件を満たせば免許なしで電動キックスケーターに乗れる改正道路交通法が施行された2023年7月から24年6月の1年間で、取り締まり件数は2万5000件を超えた。制限速度を超えた状態での歩道走行や信号無視が目立った。

 そこでLuupは警察と連携し、危険走行を減らすための対策強化に乗り出す。11月以降、交通違反をした利用者の詳しい情報を警察から受け取れるようにする。違反の内容や頻度を考慮し、悪質な場合には利用を制限する方針だ。【木村敦彦】

毎日新聞

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