トランプ次期政権、「外国歳入庁」創設へ 関税徴収強化の新組織

2025/01/15 15:03 

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 トランプ次期米大統領は14日、関税などを徴収する新組織「外国歳入庁」を創設すると、自らが運営するソーシャルメディア(SNS)で発表した。トランプ氏は大幅な関税引き上げで税収を増やし、企業や個人向けの大型減税の財源に充てる考えを示しており、内国歳入庁(日本の国税庁)とは別の専門組織を立ち上げ、関税徴収を強める考えとみられる。

 トランプ氏はSNSに「あまりにも長い間、我々は内国歳入庁を使った国民への課税に依存してきた。軟弱な貿易協定を通じて米経済が世界に成長と繁栄をもたらす一方、我々自身に税を課してきた」と従来の低率の関税を問題視。「今こそ変える時だ。関税や海外からもたらされる全ての収入を徴収する外国歳入庁を創設する」と明言した。

 また、「貿易で我々から利益をあげる人々へ課金を始める。彼らは最終的に、公正な負担分を支払うようになるだろう」とし、外国企業に関税負担を求める考えを強調した。新組織は政権発足初日の20日に創設するという。

 トランプ氏は全ての国からの輸入品で一律10~20%、中国からの輸入品で一律60%の関税引き上げを実施すると公約。大統領選勝利後には不法移民や麻薬取り締まりを強化しない限り、メキシコとカナダに25%、中国に10%の追加関税を課すと表明した。

 トランプ氏は関税を支払うのは外国企業との考えを示すが、多くの専門家は、関税は米国内の小売業者による価格転嫁を通じて消費者の負担になると説明している。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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