J1福岡 金新監督「言い訳できぬ戦力」 得点力向上で6位以上目標
サッカー・Jリーグの九州各チームが始動した。サガン鳥栖がJ2に降格し、今季の九州のJ1チームはアビスパ福岡だけとなった。福岡は2月15日に柏レイソルをホームのベスト電器スタジアムに迎えて、開幕戦を行う。
クラブ最長の5季にわたり指揮した長谷部茂利前監督(53)に代わり金明輝新監督(43)が就任した福岡は、11選手が新たに加わった。選手が大きく入れ替わり、柳田伸明強化部長は「新しいチャレンジをしていく年になる」と宣言する。
目標にはクラブ最高となるJ1での6位以上、カップ戦を含めたタイトル獲得を据えた。金監督は「言い訳できないぐらいの人員をそろえていただいた。昨年、他チームにいて上位で戦った経験則もある。今のチームならそれ(目標達成)ができるんじゃないかと確信も持っている」と力を込める。
上位進出に向け、金監督に託されたのが得点力の向上だ。長谷部前監督は堅守を築き、J1に定着させた一方、長年の課題は攻撃。昨季はJ1ワーストの1試合平均0・87得点に終わった。金監督は「守備をおろそかにするつもりは全くない」とした上で、「攻撃の回数を増やせば守備の回数は減る。相手コートでプレーする時間を増やしたい。突発的、偶発性の得点シーンや決定機ではなく、再現性のあるものを」と語る。かつて指揮した鳥栖の象徴でもあったハードワークを求めつつ、全員守備全員攻撃を掲げる。
新加入選手は攻撃的な選手が顔をそろえる。昨季J1で2位タイの9アシストを記録したMF名古新太郎選手(28)や、パスセンスやゴール前でのうまさが光るMF見木友哉選手(26)が加わった。名古選手は「攻守においてアグレッシブなところは自分のベースにある。得点のところにもっともっと関わって、チームの勝利に貢献したい」と意気込む。
中盤には視野が広く、精度の高いパスを繰り出すMF秋野央樹選手(30)がV・ファーレン長崎から入った。最終ラインから攻撃の組み立てが期待されるのは、5年ぶりの復帰となったDF上島拓巳選手(27)。「DFラインを高く設定して個人で守ったり、広いスペースを守ったりということを経験してきた。新しい体制になってそれが生きると思う」と自信をのぞかせる。
例年よりシーズン開幕が早い今季。5週間でいかに金監督の求めるサッカーがチームに浸透し、スタートダッシュできるかが上位進出の鍵となる。金監督が鳥栖時代に指導した選手も複数在籍し、「攻守にアグレッシブなスタイルかつ論理的なサッカーをするのが自分のサッカー観と似ているところがあった」(見木選手)と、金監督の就任を移籍決断の理由に挙げた選手がいるのは好材料となりそうだ。【丹下友紀子】
◇福岡の主な移籍選手
【OUT】
ポジション 名前 所属先
DF 宮大樹 名古屋グランパス
MF 前寛之 FC町田ゼルビア
FW 佐藤凌我 ジュビロ磐田
【IN】
DF 上島拓巳 横浜F・マリノス
MF 名古新太郎 鹿島アントラーズ
MF 見木友哉 東京ヴェルディ
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