日本・フィリピンの外相会談 南シナ海問題での連携強化で一致

2025/01/15 19:24 

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 岩屋毅外相は15日、フィリピンの首都マニラでマナロ外相と会談した。南シナ海における領有権を巡る中比の対立が激化する中、安全保障や海洋協力の強化で一致した。第2次トランプ米政権の発足を控え、日米比3カ国による連携維持の重要性も確認した。

 岩屋氏は共同記者会見で、南シナ海への海洋進出を強める中国について「地域の緊張を高める行為が繰り返されており、深刻に懸念している」と説明。日本が同志国の軍に防衛装備品などを供与する枠組み「政府安全保障能力強化支援(OSA)」などを通じ、フィリピンを引き続き支援する考えを示した。

 両国は昨年7月、自衛隊とフィリピン軍の相互往来を容易にする「円滑化協定(RAA)」に署名。比議会では既に承認され、日本は今年の通常国会で批准を目指す。共同訓練の拡充も視野に入れており、マナロ氏は「地政学的な状況が変わる中、協力して対応力を強化したい」と述べた。

 岩屋氏はマルコス大統領とも会談し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を確認した。【バンコク石山絵歩】

毎日新聞

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