ハマスが停戦案了承 23年の一時休戦以来、ガザでの戦闘止まるか

2025/01/15 22:39 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの停戦交渉を巡り、ロイター通信は15日、ハマスが停戦案を了承したと報じた。停戦合意が締結されれば、2023年11~12月の一時休戦以来、約1年ぶりにガザでの戦闘が停止することになる。

 停戦交渉は15日も仲介国カタールの首都ドーハで続いた。AP通信などは、双方がいずれも停戦案に大筋で合意していると報道。14日夜には、ハマスとともに人質を拘束している過激派組織「イスラム聖戦」の代表団も派遣され、交渉は最終局面を迎えていた。

 停戦案は、42日間の停戦を実施する「第1段階」でハマスが人質解放を進める一方、イスラエル軍がガザ地区の人口密集地から撤退し、北部への住民の帰還を認めるという内容。

 停戦案では、第1段階が終わるまでに恒久的な停戦やイスラエル軍の完全撤退を含む第2段階以降に向けた交渉を始めるとされている。ハマスはイスラエルが戦闘を再開させることを警戒しているが、エジプトなどの仲介国はイスラエルも恒久的な停戦に向けた交渉を始めることを口頭で保証しているという。

 エジプト大統領府によると、シシ大統領とバイデン米大統領は14日、電話協議し、早期停戦の必要性を改めて確認した。

 一方、イスラエル国内では、政治的な駆け引きが激しくなっている。連立政権を組む、対パレスチナ強硬派の極右政党党首のベングビール国家治安相は、スモトリッチ財務相に対して、政府が停戦合意に応じた場合、連立から離脱するように呼びかけた。一方、米CNNテレビによると、最大野党党首のラピド前首相は極右勢力が連立を離脱した場合はネタニヤフ政権を支持する考えを示した。

 停戦合意を発効させるには、イスラエル国内で閣議などの承認が必要となるが、極右勢力が反対しても承認される見通しだ。ネタニヤフ首相は14日、人質の家族や兵士の遺族らと相次いで面会した。イスラエルメディアによると、ネタニヤフ氏は人質の家族に対し、長期の停戦に合意する意向を伝え「ハマスの返答があり次第、すぐに手続きを始められる」と語った。【カイロ金子淳、エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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