山火事で「全て失った」 LA在住の芥川賞作家・米谷ふみ子さん

2025/01/15 20:58 

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 米西部カリフォルニア州ロサンゼルス一帯で続く山火事では、米国で長年暮らす芥川賞作家の米谷ふみ子さん(94)の自宅も全焼した。

 知人の家に避難している米谷さんは毎日新聞の取材に「全て失った」と話した。

 米谷さんの自宅は、海が見える高台の高級住宅地パシフィックパリセーズにあった。

 7日の昼ごろ、自宅を訪れた孫から火の手が迫っていることを知らされて避難。「後でまた戻って来られる」と思っていたという。

 芥川賞受賞で贈られた懐中時計、お気に入りのコラージュ作品、膨大な蔵書……。全て燃えてなくなった。米谷さんは「情けない」との言葉を繰り返した。

 別地区で暮らす息子で作家のカール・グリーンフェルドさんの家も全焼した。

 カールさんも7日に火災に気付いたといい、「巨大化した炎の壁が向かってくるのが見えた」と振り返る。急いで薬やパソコンなどをバックパックに詰め込んで、妻と娘、飼っている犬と猫を連れて避難した。

 山火事は14日午前(日本時間15日午前)、発生から1週間となり、パシフィックパリセーズは街ごと焼失した。

 近隣住民はバラバラになり、どこにいるのか分からない。米谷さんは「これほど大規模の火災はなかった。これからどうなるのか。見当もつかない」と話した。【米南部テキサス州イーグルパス國枝すみれ】

毎日新聞

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