トランプ次期米大統領の２０日の就任式に、グーグルやアマゾンなど「ＧＡＦＡ」と呼ばれる米ＩＴ大手首脳がそろって出席する見通しとなった。米国内での事業停止が迫る中国系動画投稿アプリ「ＴｉｋＴｏｋ（ティックトック）」の周受資最高経営責任者（ＣＥＯ）も出席予定とされ、米経済界で「トランプ詣で」の動きが一段と鮮明になっている。

　米メディアによると、メタ（旧フェイスブック）のマーク・ザッカーバーグＣＥＯ▽アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏▽グーグルのスンダー・ピチャイＣＥＯ▽アップルのティム・クックＣＥＯ――がそろって参加する見通し。クック氏を除く３人は、トランプ氏から敵視されていた時期があり、大統領返り咲きを受け関係修復に動いた形だ。

　特にザッカーバーグ氏は１月上旬、トランプ氏が批判するフェイスブックなどの「ファクトチェック機能」の廃止を突然表明するなど、次期大統領へのすり寄りが際立っている。

　ティックトックは米連邦議会で２０２４年４月に超党派の合意を得た法律により、就任式前日の１９日に事実上、米国内での事業停止が見込まれている。ただ、トランプ氏はティックトックの米事業継続に協力する構えを見せており、周氏はトランプ氏と良好な関係を築きたい考えとみられる。

　就任式には、大統領選での勝利に貢献しトランプ氏の「共同大統領」とも言われる実業家のイーロン・マスク氏も参加する予定だ。

　ブルームバーグ通信が発表した世界の富豪ランキング（１６日時点）によると、１位はマスク氏（４３９０億ドル＝約６８兆円）、２位はベゾス氏（２４００億ドル）、３位はザッカーバーグ氏（２１６０億ドル）で、世界の富豪トップ３が勢ぞろいする形にもなる。

　３氏の資産合計は日本円換算で約１３８兆円で、過去最大に膨らんだ２５年度の日本政府の一般会計予算案の歳出規模（約１１５兆円）を上回る。【ワシントン大久保渉】