韓国捜査当局、警護庁次長を逮捕 尹氏への逮捕状執行妨害の疑い

2025/01/17 18:38 

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 韓国警察は17日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の逮捕状執行を妨げたとして特殊公務執行妨害などの疑いで警護庁長の代行を務める金声勲(キム・ソンフン)次長を拘束した。警察はこれまで複数回にわたり出頭を要請していた。金次長が同日、警察に出頭し、すぐ逮捕された。

 捜査当局が初めて3日に尹氏に対する逮捕状執行を試みた際は、警護庁要員らがスクラムを組むなどして阻み、失敗に終わった。15日に再び執行を試み、尹氏を逮捕した。

 金次長は出頭した際に記者団に対し、逮捕状執行を阻止したのは、「尹氏の指示ではなく、法律によって警護任務を遂行した」と説明した。武器携帯の有無については、警護庁要員が常に携帯している武器とは別に新たな武器を追加で携帯したことはないとした。

 また、尹氏は逮捕前、逮捕反対のデモをしている人々について「この寒い冬に韓国を守るために行動している方々を考えると胸が痛い」と言及し、「私がもっと元気を出して、ひるまず韓国を守り抜く」などと述べていたという。

 韓国メディアは金次長が尹氏の誕生日などの際に、職員に対し業務外の動員をしたと伝えており、その際に公費が使用されたのではないかなどの疑惑を報じている。韓国の放送局SBSは、警護庁が2023年12月の尹氏の誕生日に、警護庁が同庁創設60周年の記念行事と合わせて尹氏の誕生日を祝う行事も行ったと伝えた。

 報道によると、行事では警護庁の職員らが「ひたすら国民だけを考えたあなた」「大韓民国のために天が私たちに送ってくれた大統領様」などの歌詞の歌を歌った。歌の制作には外部の音楽家も参加しており、秘密保持契約を結んでいたという。行事は戒厳令を進言した当時の警護庁長、金龍顕(キムヨンヒョン)前国防相=内乱罪などで起訴=が主管し、金次長が企画した。

 金次長は「業務と無関係なことに職員を動員したことはない」と述べる一方、記念行事と合わせて祝ったことは認めた。「友人にお祝いのパーティーや歌を歌ったりしないのか」などとも述べ、「業務外」の行為で公費が使用されたことはないと強調した。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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