韓国地裁、尹氏の逮捕不当請求を棄却 尹氏は取り調べ拒否続ける

2025/01/17 20:08 

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 韓国のソウル中央地方裁判所は16日、内乱容疑などで逮捕された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の逮捕の適否を判断する審査を開き、「逮捕は不当だ」とする尹氏側の訴えを棄却した。高官犯罪捜査庁(高捜庁)は17日に尹氏を引き続き拘束するための令状をソウル西部地裁に請求した。裁判所が令状を発付すれば、尹氏の拘束は起訴まで最長で20日間継続される。

 尹氏は15日に発表した談話で、高捜庁を「捜査権のない機関」、逮捕状を発付したソウル西部地裁を「令状審査権のない裁判所」と呼び、「不法で無効な令状」だと訴えていたが、ソウル中央地裁は、そうした訴えを認めなかった。

 尹氏の拘束を延長するためには、15日の逮捕から原則48時間以内に新たに令状を請求する必要があった。

 また、尹氏の代理人弁護士は17日、前日に引き続き17日も高捜庁の取り調べに応じない方針を表明。「(尹氏は)既に立場を表明しており、一問一答形式の調査に答える理由や必要性がないため」としている。

 尹氏は15日午前の逮捕後、ソウル近郊の高捜庁の庁舎に移送された。同日は取り調べを受けたが、16日は健康上の問題などを理由に取り調べを拒否していた。17日には弁護士を通じて「熱い愛国心に感謝する」との国民向けの手紙を公表した。

 尹氏の「徹底抗戦」の姿勢は、保守支持層の結集を狙っているとの見方が出ている。世論調査会社「韓国ギャラップ」の14~16日の調査では、尹氏の弾劾について賛成が前週比7ポイント減の57%、反対は4ポイント増の36%だった。戒厳令宣布後の12月中旬の調査では、賛成が75%だった。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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