欧州で加速する「X離れ」 公正性、正確性への懸念強まり

2025/01/17 20:28 

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 欧州で、実業家のイーロン・マスク氏が所有するネット交流サービス(SNS)、X(ツイッター)を離れる動きが加速している。ドイツの一部研究機関や政府機関に続き、16日にはパリ市も利用取りやめを表明した。

 X上で約220万人のフォロワーを抱えるパリ市は、20日付でXの利用をやめると明らかにした。欧米メディアによると、同市は声明で、Xが「ヘイトスピーチや偽情報をあおっている」と指摘。「これまで以上に事実と情報の正確性にこだわっていく」と主張した。

 今月10日には、ドイツやオーストリアの60以上の大学や研究機関も、Xの利用を停止するとの共同声明を発表。Xの最近の方向性が、科学的な公正性や透明性、民主的な議論といった核となる価値観と相いれないと説明した。

 またAFP通信によると、独国防省は15日、「事実に基づいた議論が困難になっている」などとしてXの利用を当面停止すると明らかにした。

 オーナーのマスク氏は、20日に発足する第2次トランプ米政権で、政府外助言機関「政府効率化省(DOGE=ドージ)」を率いる予定だ。こうした政治色の強まりが、「X離れ」を加速させているとの見方もある。【畠山哲郎】

毎日新聞

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