「Nintendo Switch 2」 後継機は「正統な進化」 8年ぶりリニューアル

2025/01/17 19:02 

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 任天堂は16日、新型ゲーム機の名称を「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチツー)」とし、2025年中に発売すると発表した。17年3月に発売した「ニンテンドースイッチ」の後継機。ゲーム機として異例のロングセラーとなったスイッチの特長を引き継いだ機種になりそうだ。

 16日深夜に任天堂が同社公式ユーチューブで公開した動画では、スイッチより大型化したとみられる黒色を基調とした本体がお披露目された。本体から取り外しできる「ジョイコン」と呼ばれるコントローラーが引き続き搭載されていることが確認できた。また、スイッチ同様、「据え置き型」と「携帯型」の両方の遊び方ができることも示唆された。現行のスイッチのゲームソフトを遊ぶことができることは既に発表されている。

 この日は具体的な発売日や価格、性能などは示されず、4月2日に詳細を発表する。世界15都市で4月から体験会が開催され、日本国内では東京会場(千葉市の幕張メッセ)で4月26、27の両日に開かれる予定。

 ◇業績左右する新型機、専門家「正統な進化」

 新型機の売り上げは任天堂の業績を左右する。06年に発売したゲーム機「Wii(ウィー)」は累計1億163万台(24年9月現在)を売り上げ、09年3月期に連結売上高と最終(当期)利益で当時の過去最高の業績を記録した。しかし、12年発売の後継機「Wii U」は販売が振るわず、12年3月期から3年連続の営業赤字に転落した。

 現行のスイッチは据え置き型でも携帯型でも使える新たな遊び方が評価され、24年9月時点で累計1億4604万台を販売。有機ELモデルなどの派生機種を発売して複数台買う需要を創出したほか、新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要も販売を後押しした。スイッチのロングヒットもあり、24年3月期には連結最終利益が過去最高の4906億円となった。

 任天堂は過去に新しいコンセプトを取り入れた新型機を投入することもあったが、スイッチ2は現行のスイッチを踏襲するデザインとなった。

 ゲーム業界に詳しい東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは「オーソドックス(正統)な進化だ。見ただけで遊び方がわかり、ユーザーが安心して遊ぶことができるという効果を狙ったのではないか。初動でもヒットする」と予想する。

 今後の注目点の一つが販売価格だ。現行のスイッチの希望小売価格は3万2978円。単純比較はできないが、ソニーが発売する据え置き型の「PS5」の7万9980円に比べて大幅に安い。しかし、8年前に比べ円安で物価が上昇するなどしており、安田氏は日本での価格が現行の有機ELモデル(希望小売価格3万7980円)より高くなると予測。「ゲーム機は価格の影響を受けにくい。5万円前後の価格であれば需要は落ちないのではないか」と指摘する。【妹尾直道】

毎日新聞

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