米政権、州が不法移民対策に非協力なら訴追も 司法省が捜査指示

2025/01/23 07:44 

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 米司法省は21日、州や自治体が不法移民の国外追放に向けた取り締まりに協力しない場合、刑事訴追を視野に捜査するよう連邦検察に指示した。米主要メディアが司法省の内部文書の内容を報じた。民主党の州知事や市長が共和党のトランプ政権の施策に抵抗する構えを見せていることを踏まえ、訴追をちらつかせて協力を迫る狙いがある。

 米メディアが報じた内部文書によると、司法省は「連邦法が州法に優越する」という合衆国憲法の規定などを根拠に「州や地方は、大統領の移民政策に従う必要がある」と説明。不法移民の取り締まりに対して、州や自治体による「抵抗、妨害、不服従」があった場合、訴追も視野に捜査することを指示した。

 米国内には約1100万人(国土安全保障省の推定)の不法移民がいるとされる。トランプ政権は犯罪歴のある不法移民を皮切りに、「米国史上最大」と称する不法移民の国外追放を検討している。ただ、「サンクチュアリシティー(聖域都市)」と呼ばれる移民に寛容な自治体では反対論や戸惑いも出ている。

 ◇訴訟で対抗措置の動きも

 不法移民は飲食業、製造業、農業など幅広い分野で労働の担い手になっている。不法移民が犯罪被害に遭った場合、自身が国外追放されるのを恐れて通報せず、結果的に犯罪の取り締まりが難しくなるとの指摘もある。

 民主党の州知事らは訴訟を通じて、トランプ政権の不法移民対策を無効にする準備もしている。トランプ氏は20日に大統領令で不法移民の親を持つ新生児に市民権(国籍)を認めない方針を示したが、憲法が定めた市民権の「出生地主義」に反するとの見方が強く、民主党が優勢な22州が訴訟を起こした。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞

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