米企業の実証機が「音速の壁」突破 超音速旅客機の復活に一歩

2025/01/29 13:11 

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 米国で超音速旅客機の開発に取り組むブーム・テクノロジー社は28日、実証機XB-1が超音速飛行に初めて成功したと発表した。最高時速はマッハ1・122(時速1207キロ相当)に達したという。

 同社は最大80人乗りでマッハ1・7で飛行する旅客機の開発を目指しており、ブレーク・ショール最高経営責任者(CEO)は「究極の目的は超音速飛行の利便性を皆さんに届けることだ」と意欲を示した。

 同社の発表によると、試験飛行は西部カリフォルニア州で行われ、高度1万メートル超に達した後、音速の壁を突破した。実証機は2024年3月に初飛行し、11度の試験飛行を繰り返してきた。

 試験の成果を踏まえて、超音速旅客機「オーバーチュア」を開発する。米メディアによると、29年の運航開始を目指している。日本航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空の3社が計130機の購入を予約している。

 日本航空によると、オーバーチュアが実用化されれば、東京とカナダ西部バンクーバーの飛行時間は約8時間50分から約4時間35分に短縮されるという。

 超音速旅客機は英仏が共同開発し、1976~03年に運航された「コンコルド」が有名だ。しかし、「ソニックブーム」と呼ばれる爆音や燃費の悪さが課題で、超音速飛行も洋上でしかできなかった。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞

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