ハマスが人質6人解放へ イスラエルは重機や仮設住宅の搬入許可

2025/02/19 06:40 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは18日、人質6人を22日に解放すると発表した。当初の予定では解放は3人だった。これと引き換えに、イスラエルは拘束しているハマスの幹部らを釈放する他、ガザ地区のがれき撤去のための重機や仮設住宅の搬入を許可する。

 ハマスはこれに先立つ20日、人質4人の遺体を返還する。遺体返還は1月19日の停戦発効以来、初めて。生後9カ月で拉致された男児の遺体も含まれているという。

 42日間とされる「第1段階」の停戦は、3月1日が期限となっている。米ニュースサイト「アクシオス」は、解放の加速は、イスラエルとハマスが停戦合意の崩壊を懸念して、双方にとって成果を確実にしたいという動きだと報じた。

 イスラエルのサール外相は18日、停戦の「第2段階」の交渉を今週にも始めると明らかにした。ガザの完全な非武装化を要求した上で、パレスチナ自治政府の統治も認めない考えを示した。第2段階には、恒久的停戦やイスラエル軍の完全撤退も含まれ、協議は難航することが予想される。

 米国とイスラエルは人質の早期解放を求めてきた。トランプ米大統領はハマスに対して、人質全員の解放を要求。イスラエルのネタニヤフ首相も、すべての人質が解放されなければ「地獄の門が開く」と警告していた。

 停戦合意によると、「第1段階」でハマスは33人の人質を解放し、イスラエル側は拘束している約1900人のパレスチナ人を釈放することになっている。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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