映画「少年と犬」完成披露試写会 「温かさが残り続けるような作品」

2025/02/20 21:05 

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 映画「少年と犬」(毎日新聞社など製作委員会)の完成披露試写会が20日、東京都内で行われた。馳星周(はせ・せいしゅう)さんの直木賞受賞作が原作で、岩手・釜石からさまよってきた犬の多聞(たもん)が、西の方角を目指して日本を縦断する旅路で出会った人々との交流を描いている。

 上映前に、主演の高橋文哉さんと西野七瀬さんをはじめ、斎藤工さん、伊藤健太郎さん、伊原六花さんら出演者と瀬々敬久監督が登壇し、舞台あいさつをした。

 震災により職を失い仙台で生活する中、多聞と出会う青年、中垣和正を演じた高橋さんは「温かさが皆様の中に残り続けるような作品を力を合わせて作ることができた」と達成感を口にした。

 悲しい秘密を抱えながら、多聞に命を救われる女性、須貝美羽役の西野さんは「当たり前のように毎日が過ぎ、明日が来るのが普通に思えるけど、一日一日をもっと大事に生きていきたいと(作品を)見終わった後に思いました」と話した。

 瀬々監督は「それぞれに諸事情がありながらも、普通に生きている人たちと犬の交流を描いた映画。(鑑賞する)皆さんと非常に近しいところで作った映画ですので、最後に何かを持って帰ってもらえればと思っている」と述べた。

 あいさつの途中、高橋さんに連れられて多聞を演じたジャーマンシェパードドッグの「さくら」が登場。高橋さんがマイクを向けると鼻息で「コメント」し、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

 映画は3月20日、全国公開される。【西本龍太朗】

毎日新聞

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