自民が2025年運動方針案 少数与党に危機感、参院選必勝を軸

2025/02/21 17:17 

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 自民党は21日、2025年運動方針案を発表した。昨年10月の衆院選大敗で少数与党となるなか、党の再生と今夏の参院選必勝を活動の中心に据えた。政治改革を巡っては1989年の自民党政治改革大綱を検証した上で、「令和版政治改革大綱」を策定すると明記した。3月9日に開催する党大会で採択する。

 自民は25年に1955年の立党から70年を迎える。今夏の参院選でも大敗すれば、参院でも与党が過半数割れする可能性があり、現状への危機感が色濃く表れた内容となった。

 前文で、先の衆院選での大敗について、「国民の厳しい審判を肝に銘じるとともに『政治は国民のもの』との立党の精神に立ち返り、新たな第一歩を踏み出したい」と決意を表明。「常に進歩を目指す保守政党」「地域に立脚した国民政党」が党の目指すべき道だとし、模索する考えを示した。

 政治改革については、昨年の国会で成立した改正政治資金規正法に触れ、「厳しい反省の下、政治資金の透明性を高め、政治家の責任を明確にする法改正を行ってきた」と強調。「引き続き不断の政治改革・党改革を進める」と記した。また、89年の政治改革大綱で掲げた政治倫理の確立や党改革の断行など各項目の対応状況を検証すると明記。その上で「時代に即した政治のインフラを築くことを目的に、国民目線で令和版政治改革大綱を策定する」とした。党政治改革本部(渡海紀三朗本部長)が具体的な内容を協議する方針だ。

 東京都議選や参院選が実施される25年を「政治決戦の年」と位置付け、「我が党が引き続き国民を守る責任を果たしていくためには、夏の参院選の勝利が最重要課題だ」と記した。野党との政策協議を通じた合意形成を模索している現状を念頭に、「我が党のひたむきな姿勢を国民に訴求し、さらなる党勢拡大へとつなげる」と訴えた。選挙でのSNS(ネット交流サービス)利用については、ショート動画やSNS広告を積極的に活用する方針も示した。【川口峻】

毎日新聞

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