元局長の私的情報漏えい 兵庫県が調査結果を議会に報告の方針

2025/02/21 20:39 

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 兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長(2024年7月に死亡)の私的情報漏えい問題で、県は日本弁護士連合会(日弁連)の第三者委員会の指針に沿って調査を進め、調査結果を県議会に報告する方針を議会側に示した。毎日新聞の取材に、県関係者が明らかにした。県はこれまで、調査組織の概要や結果報告の有無を曖昧にしており、透明性に疑義が指摘されていた。

 情報漏えいを巡っては、斎藤氏が24年8月、元総務部長らが県議に漏らしていた可能性があるとして、外部の弁護士による調査を進めていることを明らかにしていた。また11月には、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が、元局長の私的情報のデータだとして、動画サイトやX(ツイッター)で画像などを公開。県が調査委員会を設置している。

 斎藤氏はいずれの事案も「第三者調査委員会」で調査しており、年度内に報告書がまとまる見通しと説明してきた。ただ、その公表方法については「慎重に考えていくことが大事だ」と歯切れが悪かった。

 文書告発問題を究明する県議会調査特別委員会(百条委)の委員によると、24年8月以降の調査結果などの提供要求を検討した際、県側から「人事課の調査の一環だ」と説明され、見送ったという。こうした対応について、一部県議から「不透明」との批判が出ていた。有識者からは「内部調査と変わらない」との指摘も出されていた。

 県は議会側に調査結果を報告することを約束。調査に追加費用がかかるとして、関連する予算約1200万円を盛り込んだ補正予算案を21日の県議会に提案した。

 日弁連の地方公共団体向けの第三者委の指針は、委員会の目的・性質に反しない限り、議事録の公表を考えるべきだとしている。調査結果も提出先と協議した上で、自ら公表できるとする。【中尾卓英、山本康介】

毎日新聞

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