予算案、年度内成立の公算大に 自公維が修正巡り来週にも党首会談

2025/02/21 21:01 

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 自民、公明、日本維新の会の3党の政調会長は21日、国会内で協議し、2025年度予算案の修正に関する文書案について合意した。高校授業料の無償化では大筋合意していたが、維新が予算案賛成の条件として求めてきた社会保障改革を巡っても自公が歩み寄った。

 3党は合意文書案を持ち帰り、党内手続きに入る。了承されれば、石破茂首相(自民総裁)、公明の斉藤鉄夫代表、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)が来週にも会談し、正式合意する。予算案は維新の賛成を得て、年度内に成立する公算が大きくなった。

 先の衆院選で自民、公明両党は過半数割れして「少数与党」となった。このため、予算案を可決・成立するには一部野党の協力が欠かせない。維新は高校授業料の無償化と社会保険料負担の引き下げを賛成の条件としており、3党で協議を続けてきた。

 毎日新聞が入手した合意文書案では、高校授業料の無償化について、来年4月から私立高に通う子供がいる世帯への就学支援金について所得制限を外し、上限額を「年45万7000円に引き上げる」ことを明記。給食費無償化は小学校を念頭に「地方の実情を踏まえ26年度に実現する」とし、中学校への拡大も「できるだけ速やかに実現する」とした。

 社会保険料負担の軽減については自公が配慮。医療のデジタル化や応能負担の徹底などを検討課題とした。維新が目標としている医療費「年間4兆円削減」や、現役世代1人あたりの社会保険料負担の「年間6万円引き下げ」を「念頭に置く」とした。「主要な政策決定が可能なレベルの代表者による3党の協議体を設置する」ことでも合意した。

 3党の政調会長は20日に続いて21日も協議。中断を挟みながら同日夕に合意に至った。

 協議後、自民の小野寺五典政調会長は記者団に「政調会長間で議論が収束し、(3党の)一致をみた」、公明の岡本三成政調会長は「教育の質の向上、多様性の担保や、社会保険料の引き下げについて意見が十分反映された」と表明。維新の青柳仁士政調会長は「教育無償化、社会保険料を下げる改革の2本柱を訴え、理解をいただけた」と述べた。その後、小野寺氏は合意内容について首相官邸で石破首相に報告。首相は「よくまとめていただきました」と応じた。

 維新の吉村氏は21日夜、合意文書案について記者団に「維新の国会議員に最終的に諮る案はできた」と評価した。【田中裕之、安部志帆子、野間口陽、高橋祐貴】

 ◇合意文書案の主なポイント

<教育無償化>

・就学支援金の私立加算額を年45万7000円に引き上げ

・小学校の給食無償化を2026年度に実現

<社会保障改革>

・自民、公明、維新の「政策決定が可能なレベルの代表者」による協議体を設置

・デジタル化を通じた効率的で質の高い医療の実現などを検討

・維新が掲げる医療費総額の年間4兆円削減、現役世代の社会保険料負担の1人年6万円の引き下げを念頭に置く

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