農林中金、1.9兆円の巨額赤字の見通し 奥和登理事長が辞任
農林中央金庫は20日、奥和登理事長(65)が3月31日で退任し、後任に北林太郎常務執行役員(54)が就任する人事を発表した。また、2025年3月期連結決算の最終(当期)損益が1・9兆円程度の巨額赤字に陥る見通しであることも明らかにした。奥理事長は資金運用の失敗の責任を取り事実上、引責辞任する。若返りで経営の刷新を図る。就任は4月1日付。
農林中金は米国の急激な利上げで保有していた米国債の評価額が下落。2月7日に発表した24年4~12月期の連結決算では最終損益が1兆4145億円の赤字となった。通期の赤字はさらに拡大する見通しだ。24年3月期の最終損益は636億円の黒字だった。
一方で、26年3月期の業績見通しでは、欧米国債を中心とした資産の売却や市場環境の変化などにより、最終損益が300億~700億円の黒字に回復する。東京都内で開いた記者会見で奥氏は「赤字の責任を明確にして後任にたすきを渡した。来年度の黒字化を見通すことができ、再スタートの準備が整った」と退任の理由を説明した。
運用の失敗を受け、農林水産省が設置した有識者会議は今年1月、資産運用の方針を決める理事会に外部の有識者が参加できるようにする農林中金法の改正案を提言。債券に偏らないリスクを分散した資産運用や、農業分野への出融資の拡大も求めている。
農林中金は20日、提言を踏まえた対応を公表。同法が改正された場合、外部から非常勤の理事の登用を検討する。農業分野への出融資についても、資金ニーズを適切に把握し、これまで以上に積極的に取り組むなどとした。
北林氏は1994年に入庫。総務部長を経て、21年に常務執行役員に就任した。「新しい農林中金を作るべく大幅に若返る経営陣らと一丸となって一生懸命に取り組む」と話した。【福富智】
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