韓国・尹大統領の刑事裁判開始 検察側の証拠資料は7万ページ

2025/02/20 18:34 

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 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「非常戒厳」を巡り、内乱首謀罪で起訴された尹氏の最初の公判準備手続きが20日、ソウル中央地裁で開かれた。尹氏側は「(検察が提出する)膨大な証拠資料に対する立場などとまとめて別途明らかにする」として、起訴内容の認否を明らかにしなかった。

 聯合ニュースによると、検察側は「事件の重要性を勘案して少なくとも週2~3回の集中審理」を求めた。証拠資料は約7万ページに及ぶという。3月24日に2回目の弁論準備手続きを行う。

 また、尹氏は裁判所に対し拘束の取り消し申請をしており、20日にはその可否を決める審理も行われた。尹氏側は「証拠隠滅の恐れはない」と強調。尹氏を逮捕した高官犯罪捜査庁(高捜庁)に内乱罪の捜査権はないとして、容疑自体が成立しないと主張した。

 検察は裁判所が逮捕状を発付した段階で、適法との認定を受けたとしている。韓国メディアによると、地裁は双方に追加の意見書がある場合は10日以内に出すよう求めた。

 起訴状によると、尹氏は戒厳令を宣布後、国会議員による戒厳令の解除要求決議を防ぐために国会に軍や警察を投入し封鎖するなど、憲法秩序を乱す目的で暴動を起こしたとしている。

 憲法裁判所では尹氏に対する弾劾審理も進んでいる。尹氏はこれまでの審理で国会の機能は停止しておらず、内乱罪には該当しないと主張している。25日に最終弁論が行われ、結審する見通し。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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