「海外でもうかる」と誘い特殊詐欺などに加担強要 警察が10件保護

2025/02/20 16:55 

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 ミャンマーで高校生2人が特殊詐欺に関与した疑いがある事件で、警察庁は20日、知人らに「海外でもうかる仕事がある」と誘われたケースなどに対し、警察が10件の保護措置をとったことを明らかにした。2024年10月以降の件数で全員男性。10~20代が約6割を占め、50~60代もいた。

 警察庁は、報酬が高額など怪しいと思ったら応じないよう注意を呼びかけている。背後に犯罪組織がいて、渡航するとさらに国境を越えて連れていかれる危険性も強調している。

 10件の渡航先は、カンボジア3件、ミャンマー2件で、中国などもあった。24年12月にタイ経由でミャンマーに入り、2月にタイ当局に保護された愛知県の少年(16)ら高校生2人も含まれる。1月以降が半数を超えるという。

 誘ってくるのは、オンラインゲームやインターネット上で知り合うなどした面識のない知人。航空券が用意されるが、現地で日本人と接触後、詐欺をするように言われる。うその電話をする「かけ子」をさせられるのが大半だという。

 マシンガンで武装した監視員が見張る建物や、ノルマを達成しないとスタンガンで暴行される環境で働くケースもあった。帰国を希望すると暴力団の名前を出して脅された例もある。

 坂井学・国家公安委員長は20日の定例記者会見で、「オンラインゲームを含め、SNS(ネット交流サービス)上のやり取りには危険性がある」と注意喚起した。【山崎征克】

毎日新聞

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