ウクライナ侵攻、24日で3年 双方に疲弊や矛盾 拡大する戦禍の現在地

2025/02/24 00:00 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ロシアによるウクライナへの全面侵攻は、24日で開始から3年となる。戦禍は拡大の一途をたどり、双方ともに疲弊や矛盾が露呈している。ウクライナを支えてきた米国のトランプ政権は2月中旬、早期停戦を目指して対露交渉を開始したが、強引さが目立つ。4年目に入る戦争の先行きは不透明だ。

 ウクライナは、東・南部を中心に国土の約2割をロシアに占領されている。戦況の打開を狙い、昨年8月に露西部クルスク州へ越境攻撃を仕掛けた。だが、主戦場であるウクライナ東・南部の戦線に大きな変化は生じなかった。露軍は徐々に占領地域を広げている。

 露軍はミサイルや無人航空機(ドローン)によるウクライナの各都市への攻撃も繰り返してきた。民間の死者数は1万2000人を超えた。これまでに約690万人が難民として国外へ脱出し、国内避難民も約370万人に上る。

 戦死者数も膨大だ。英BBC放送と露独立系メディア「メディアゾナ」の独自調査によると、露軍の死者数は氏名判明分で9万人を超えるという。ウクライナ側については過去に7万人超との推計が報じられた。それぞれ全容は不明だ。

 戦争長期化によるウクライナの疲弊は明らかだ。米ギャラップ社が2024年後半に実施した世論調査では、早期の停戦交渉を望む人が初めて半数を超えた。

 ただ、最大の支援国である米国のトランプ大統領は、ウクライナの頭越しでプーチン露大統領との直接交渉をもくろむ。停戦後のウクライナをどう守るかや、露側占領地域の扱いなどは大きな争点だ。双方が折り合えるかは見通せない。【キーウ(キエフ)岡大介】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース