「イスラエル軍は撤退を」 シリアが「国民対話会議」で共同声明

2025/02/26 06:57 

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 シリアの各地域や宗教の代表らが国家像を協議する「国民対話会議」は25日閉幕し、「シリアの融和を維持し、どのような分断も拒否する」との共同声明を発表した。また、イスラエル軍がシリア南西部に侵攻していることを非難し、「無条件の即時撤退」を求めた。

 イスラエル軍は昨年12月のアサド政権崩壊後に占領地のゴラン高原を越えてシリア側に入り、駐留を続けている。ロイター通信によると、ネタニヤフ首相は23日、シリア軍が「首都ダマスカスより南へ来ることを認めない」と語り、シリア南部を「非軍事化」すべきだと主張した。

 国営シリア・アラブ通信などによると、共同声明では「イスラエルの首相による挑発的な発言を拒否する」と表明し、国際社会に対して侵攻を止めるよう訴えた。内政については、新政府への提言として、アサド政権時代に抑圧されていた国民の自由や人権の尊重を要請。社会全体が政治に参加できるよう求めた。

 会議には国内各地から約600人が参加し、新たな憲法や政府改革、経済などについて議論を交わした。シャラア大統領は会議の冒頭で「シリアは国民の手に戻った。我々は歴史的な機会を経験している」と演説し、国民の融和を訴えた。ただ、北東部を支配しているクルド人の武装組織など一部の勢力は招待されなかった。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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