トランプ氏、銅製品の輸入巡り調査命令 安保上の懸念あれば関税発動

2025/02/26 09:03 

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 トランプ米大統領は25日、銅製品の輸入が米国の国家安全保障を損なっている恐れがあるとして、通商拡大法232条に基づき調査を始めるよう商務省などに命令した。調査結果に基づき、トランプ氏が「問題がある」と判断した場合、米国が輸入する銅製品に対し関税を発動する。調査結果は270日以内に報告される。

 トランプ氏が同日、大統領令に署名した。防衛装備、インフラ、エネルギーなどに必要な銅や銅製品に関し、採掘や精製の海外依存度が高まっていることを問題視。国内の銅の供給網(サプライチェーン)が弱体化し、国家安全保障上の脅威となる恐れがあると判断した。

 米地質調査所によると、2024年の米国の銅の採掘の世界シェア(市場占有率)は4・8%、精製の世界シェアは3・3%だった。首位は採掘がチリ(23・0%)、精製は中国(44・4%)となっている。

 米政府高官は記者団の取材に、巨額の政府補助金で過剰生産や不当廉売(ダンピング)をしていると中国を名指しで批判。「鉄鋼やアルミニウムと同様に銅産業も打撃を受けている。必要に応じ関税を課すことで、米銅産業を復活させる」と意義を強調した。

 トランプ氏は1次政権時代の18年、通商拡大法232条に基づき鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を発動。今月10日には、この関税の各国への適用除外を撤廃し、アルミへの関税を25%に引き上げると発表した。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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