「ありがとう。大統領」 テスラ車購入のトランプ氏にマスク氏が謝意

2025/03/12 08:50 

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 トランプ米大統領は11日、販売不振に陥っている米電気自動車(EV)大手テスラの新車を個人として購入する考えを示した。テスラの最高経営責任者(CEO)で、トランプ氏の「側近」として活動するイーロン・マスク氏への「信頼と支持の証し」といい、同日ホワイトハウス南庭に持ち込まれたテスラ車を品定めした。

 トランプ氏は自ら運営するソーシャルメディアに「急進左翼の狂信者たちが結託して、テスラ車をボイコット(不買運動)しようとしている。テスラは世界有数の自動車メーカーであり、マスク氏の『赤ん坊』だ」と投稿。「偉大な米国人であるマスク氏への信頼と支持の証しとして、私は新品のテスラ車を買うつもりだ」と記した。

 これを受け、マスク氏はX(ツイッター)に「ありがとう。大統領」と謝意を示した。

 その後、トランプ氏はマスク氏とともにホワイトハウスの南庭で、5台のテスラ車を品定めした。トランプ氏は「彼は素晴らしい愛国者だ」とマスク氏を持ち上げた。購入したEVは自身では運転せず、ホワイトハウスのスタッフに使わせるという。

 マスク氏は多額の献金などを通じ、昨年11月の大統領選でのトランプ氏勝利に大きく貢献した。だが、トランプ政権発足後、連邦政府の予算・人員の大幅カットを主導したことが一部の米有権者の反発を招いた。欧州でも「極右」政治勢力に肩入れする情報発信を繰り返し、消費者の「テスラ離れ」を招いている。

 テスラは、新型車投入の遅れに加え、次世代の成長分野である自動運転技術の開発にも進展がなく株価が下落。トランプ氏側近となったことへの期待で大統領選後に株価が急騰し過去最高値を更新したが、販売不振を受け10日にはピーク時の半分に下落した。

 トランプ氏の「買い支え」表明を受けた11日のニューヨーク市場で、テスラの株価はやや上昇した。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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