大気汚染ランキング 上位をインドの都市独占 国別ワーストは?

2025/03/13 15:35 

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 スイスの空気清浄機メーカー「IQAir」が、2024年の世界の大気汚染ランキングを発表した。都市別のワースト20のうち19都市をアジアが占め、そのうち11都市がインドだった。

 このランキングは、大気汚染の原因である微小粒子状物質「PM2・5」の年間平均濃度を比較したもので、今年で7回目の発表となる。24年はデータが取得できた138カ国・地域の計8954都市が対象となった。

 最も大気汚染が深刻だったのは、インド北西部の工業都市ビルニハットで、世界保健機関(WHO)が定めるPM2・5濃度の安全基準値の25倍以上の数値が記録された。

 次いで、インドのデリー(約22倍)、カザフスタンのカラガンダ(約21倍)が続き、ワースト20のすべての都市がWHO基準の10倍以上の汚染レベルだった。

 ワースト20のそのほかの都市には、パキスタンの6都市と中国の1都市が含まれた。アジア以外では、アフリカ中部チャドの首都ヌジャメナが唯一ランクインしており、チャドは国別ランキングでもワースト1位となった。

 インドの首都ニューデリーは、世界各国の首都ランキングで7年連続のワースト1位となった。日本はWHO基準の約1・5倍の汚染度で、世界108位だった。

 一方、WHOの安全基準を下回ったのは、オーストラリアやアイスランドなど12カ国・地域にとどまった。

 ランキングにはイランなどデータ不足の国や地域は含まれていない。米CNNは、トランプ米政権が今月、世界各地の大使館などで収集している大気汚染データの共有中止を発表したため、今後さらにデータ不足の問題が深刻化する可能性があると指摘している。【国本愛】

毎日新聞

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