「カナダの主権に議論の余地なし」 ジョリー外相が米長官にぴしゃり

2025/03/15 09:13 

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 主要7カ国(G7)外相会合の議長を務めたカナダのジョリー外相は14日の記者会見で、ルビオ米国務長官との13日の会談で「カナダの主権に議論の余地はない」と強く言ったことを明かした。トランプ米大統領がカナダを米国の51番目の州にすると繰り返し発言していることに対する反論だ。

 両国関係は、トランプ政権が発動した関税と、トランプ氏の言動を巡って緊張が高まっている。トランプ氏は13日も、カナダについて「(米国の)州としてしか機能しない」と述べ、51番目の州になるべきだとの考えを改めて示した。

 ジョリー氏は会見でルビオ氏との会談について聞かれ、「私が長官に言ったのは、『カナダの主権に議論の余地はない』ということだ。以上」と回答。「その点についての議論も会話もないし、話し合う必要もない」と続けた。

 ジョリー氏はルビオ氏と関税と貿易に関して長時間話し合ったとし、米国に「最大限の圧力をかける」と同時に、解決に向けて努力する用意があると伝えたという。さらに、緊張関係が他の問題での合意や協力に悪影響を及ぼさないようにすることで合意したと語った。

 14日に就任したカーニー新首相が数日中にトランプ氏と電話協議する準備を進めていることも明かした。

 一方、ルビオ氏は別に開いた記者会見で「(トランプ)大統領の立場とカナダ政府の立場の間には意見の相違がある」としたうえで、「この会談の目的とは違うので、話題にならなかった」と話した。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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