イスラエルがガザ地区で地上作戦を開始 戦闘拡大の懸念高まる
イスラエル軍は19日、パレスチナ自治区ガザ地区の中部と南部で、「標的を絞った」地上作戦を開始したと発表した。緩衝地帯などを設けるためだと主張している。イスラエルは、イスラム組織ハマスに対して圧力をかける姿勢を鮮明にしており、戦闘はさらに拡大する恐れがある。
イスラエル軍は、ガザ地区を南北に分断する「ネツァリム回廊」の中心部まで制圧範囲を拡大させたことも明らかにした。住民の南北の移動が再び制限される可能性がある。軍はハマスとの停戦合意に基づき、2月9日にネツァリム回廊から撤退していた。
これに対してハマスは、イスラエル軍がネツァリム回廊に部隊を配備したことについて「危険な合意違反だ」と反発。仲介国に停戦実現のために介入するよう求めた。
イスラエル軍は19日にガザ地区への空爆も実施し、ロイター通信によると、少なくとも20人が死亡した。ガザ保健当局は19日、18日に戦闘が再開されてから436人が死亡したと発表。2023年10月の戦闘開始以降のガザ側の死者数は、4万9547人になった。
一方、米国務省の報道官は19日、1月19日に発効したイスラエルとハマスの停戦の「第1段階」を延長する米国の提案はまだ検討されているものの、「チャンスは急速に閉ざされている」と指摘した。【エルサレム松岡大地】
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