ウクライナのゼレンスキー大統領は１９日、トランプ米大統領との電話協議後に記者会見し、ロシアが占拠するウクライナ南部のザポロジエ原発について話し合ったことを明らかにした。同原発がウクライナの管理下に戻った場合、現代化と投資の面で米国の関与について議論する用意があるとトランプ氏に伝えたという。ロイター通信が報じた。

　ゼレンスキー氏は電話協議について、これまでのトランプ氏との協議の中で「最も実質的で前向き」なものだったと評価した。両氏は２月に米ホワイトハウスで会談したが、決裂していた。

　トランプ氏は１８日にロシアのプーチン大統領と電話協議し、露ウクライナの双方がエネルギー施設への攻撃を停止することで合意した。ゼレンスキー氏は会見で、この部分的停戦は「達成できる」との立場を改めて表明。対象となる施設のリストを作成するとした上で、「エネルギーインフラ施設だけでなく、鉄道や港湾施設も含まれる」との認識を示した。

　一方で、露側と攻撃停止に関する文書を交わすまでは「（ミサイルや無人機など）全てが飛来すると思う」とも語った。

　ゼレンスキー氏はまた、１９日のＸ（ツイッター）への投稿で、全面的な停戦を「実現できるよう取り組み続ける」と強調した。プーチン氏は全面的な停戦には同意していないが、「包括的な和平合意」のために必要だと主張した。【ベルリン五十嵐朋子】