ロヒンギャ難民、食糧支援が半減の危機 資金不足で 援助削減も影響
ミャンマーのイスラム系少数民族「ロヒンギャ」が迫害から逃れて暮らす隣国バングラデシュの難民キャンプで、資金不足により食糧支援が半減する可能性がある。米国や欧州諸国の対外援助削減の影響も懸念されており、現地を訪れた国連のグテレス事務総長は「食糧配給が減れば甚大な災害を招く」と警告した。
バングラデシュ南東部コックスバザールにあるロヒンギャの難民キャンプは、世界最大規模で約100万人が暮らす。国連世界食糧計画(WFP)は、4月までに1500万ドル(約22億円)の緊急支援が確保できなければ、現在の1人当たり月12・5ドル(約1850円)の食糧支援を6ドル(約890円)に減額せざるを得ないと発表した。
2023年に8ドルまで減額した際には、食糧が十分に行き渡らず、子供の発育不良や妊娠・授乳中の女性の貧血などが深刻化した。危機的な状況を受け、米国の対外援助を担当する国際開発局(USAID)は24年10月に1億2100万ドル(約180億円)相当の支援を提供。WFPは米国の支援が食糧配給の回復に極めて重要な役割を果たしたと評価していた。
しかし、トランプ米政権は今年1月、対外援助を一時停止。ロイター通信によると、ロヒンギャ難民への緊急食糧支援は、ルビオ米国務長官が2月下旬に凍結を免除したという。ただ、ルビオ氏は今月10日、USAIDの事業の8割を打ち切ったとX(ツイッター)で明らかにしており、今後の見通しは不透明だ。
WFPの資金不足は、フランスなど欧州諸国の政府開発援助(ODA)削減の影響も受けている。14日に難民キャンプを訪れたグテレス氏は「いくつかの国が財政支援の削減を発表したことで、我々は人道危機の瀬戸際にある」と述べ、「コックスバザールは予算削減の影響を最も受ける」と警鐘を鳴らした。
一方、国連児童基金(ユニセフ)によると、キャンプの人口のほぼ半数を占める子供の栄養状態はすでに悪化している。重度の急性栄養不良により、緊急に治療が必要な子供は2月時点で前年同期比27%増加。24年には、栄養不良により5歳未満の約1万2000人が救命治療を受けたという。
栄養不良の背景には、モンスーン(季節風)による長雨で悪化した衛生環境、コレラやデング熱などの感染拡大、近年続く食糧支援の削減がある。加えて、ミャンマー西部ラカイン州で国軍と抵抗勢力の戦闘が激化し、新たに戦火を逃れたロヒンギャ住民が流入。キャンプの負担はさらに増している。【バンコク武内彩】
-
韓国首相の罷免の是非、24日に言い渡し 大統領の決定前に
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による戒厳令を巡り、憲法裁判所は20日、弾劾訴追された韓悳洙(ハン・ドクス)首相(職務停止中)の罷免の是非の決定を24日…国 際 5時間前 毎日新聞
-
トランプ氏がウクライナの原発「所有」を提案 首脳協議で
トランプ米大統領は19日、ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領との電話協議で、ウクライナにある原子力発電所を米国が「所有」することを提案した。今…国 際 12時間前 毎日新聞
-
ウクライナ、米露が合意のエネルギー施設への攻撃停止に同意
米国のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は19日、電話協議した。米側によると、ゼレンスキー氏はロシアによるウクライナ侵攻を巡り、米露首脳が18日の…国 際 13時間前 毎日新聞
-
トランプ政権、在日米軍の態勢強化計画の中止を検討か 米報道
米NBCテレビなどは19日、トランプ政権が米軍再編の一環として、在日米軍が計画していた態勢強化を中止することを検討していると報じた。米政府当局者の話や国防総省…国 際 13時間前 毎日新聞
-
ゼレンスキー氏、ザポロジエ原発への米関与は「議論の用意ある」
ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、トランプ米大統領との電話協議後に記者会見し、ロシアが占拠するウクライナ南部のザポロジエ原発について話し合ったことを明ら…国 際 14時間前 毎日新聞