トランプ政権、在日米軍の態勢強化計画の中止を検討か 米報道
米NBCテレビなどは19日、トランプ政権が米軍再編の一環として、在日米軍が計画していた態勢強化を中止することを検討していると報じた。米政府当局者の話や国防総省内の文書が根拠だという。
NBCは、米軍が国防予算削減を念頭に置いた組織再編を検討していると報道。在日米軍の態勢強化を中止する可能性があり、これにより約11億8000万ドル(約1750億円)が節減されると試算されていることにも触れた。
ただし、国防総省内の資料には、中止すれば米国にとって日本との間で政治的なリスクが生じることや、西太平洋で指揮・統制機能が低下する可能性があることも記されているという。
CNNテレビも、トランプ政権による連邦政府機関の縮小や予算削減に関する国防総省内での検討の中で、在日米軍の態勢強化計画の中止が選択肢の一つに挙がっていると報じた。
バイデン前政権下で、米軍は自衛隊との指揮・統制面での連携を強化する方針を決定した。在日米軍司令部を再編・強化して「統合軍司令部」とし、自衛隊が創設する「統合作戦司令部」のカウンターパートとなる予定だ。中止されれば、日米両国が目指す抑止力・対処力の強化が足踏みすることになる。
報道によると、米軍の再編計画は全世界が対象。約75年にわたって米軍の大将級の指揮官が務めてきた北大西洋条約機構(NATO)の欧州連合軍最高司令官ポストを手放すことや、米本土、カナダ、メキシコを担当する北方軍と中米、南米大陸、カリブ海を担当する南方軍を統合することなども検討されているという。
これに対し、いずれも与党・共和党のロジャース下院軍事委員会委員長とウィッカー上院軍事委員会委員長は共同声明を出して反発した。声明では「厳格な省庁間プロセスや議会との協力なしに米国の戦闘態勢を大幅に変更することは受け入れられない。世界中で米国の抑止力を弱め、敵対国との交渉の立場を損なう危険性がある」と警告した。【ワシントン西田進一郎】
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