トランプ氏、イランに「2カ月以内の核合意締結」を要求 米報道
米ニュースサイト「アクシオス」は19日、トランプ米大統領がイランの最高指導者ハメネイ師に送った書簡で、2カ月以内に「新たな核合意」を締結するよう求めていると報じた。ハメネイ師はトランプ政権との交渉を拒否する姿勢を見せているが、このまま交渉に応じなければ、イスラエル軍や米軍がイラン国内の核施設を攻撃する可能性がある。
報道によると、トランプ氏の書簡は12日、アラブ首長国連邦(UAE)を通じてイランのアラグチ外相に手渡された。ただ、「2カ月」の期限は、書簡が届いてからなのか、交渉開始からなのかは判然としていない。米国は書簡の内容について、事前にイスラエルやサウジアラビアなどに伝えていたという。イラン外務省は書簡について「内容を精査した後に返信する」としている。
イランは欧米などとの間で2015年、核開発を制限する代わりに経済制裁を解除する「核合意」を締結したが、18年に第1次トランプ政権が一方的に離脱し、制裁を復活させた。
イランは対抗措置としてウラン濃縮を進めており、国際原子力機関(IAEA)によると、今年2月8日時点の濃縮度60%のウラン保有量は274・8キロと、昨年11月から約1・5倍に増えた。ウラン濃縮度が90%以上になれば、この保有量は核兵器6発分に相当する。
イランは核開発を「平和目的」だと主張しているが、イスラエルは強く警戒しており、核施設への攻撃を検討しているとされる。トランプ氏も今月、米メディアのインタビューで「イランには二つの対処法がある。軍事的手段かディール(取引)かだ」と語り、「核兵器を保有させることはできない」と強調していた。【カイロ金子淳】
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