トランプ関税46%のベトナム 財界、米政府に発動延期を要望

2025/04/07 18:16 

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 トランプ米政権による世界各国への「相互関税」の一環で46%の高い関税を課せられるベトナムでは、対米輸出に依存する製造業を中心に懸念が強まっている。ベトナム商工会議所と在ハノイ米国商工会議所は5日付の共同書簡で、ラトニック米商務長官に対して、発動延期を要望した。

 国営メディアによると、書簡では今回の措置がサプライチェーン(供給網)の混乱につながると示唆し、9日の発動予定を延期して交渉を続けるべきだと米政府に求めた。

 ベトナムにとって米国は最大の輸出相手国で、2024年の対米貿易黒字額は1230億ドル(約18兆円)超となった。第1次トランプ政権で米中対立が先鋭化した際、中国に製造拠点を置いていた企業が「迂回(うかい)先」としてベトナムなどを選んだ経緯があり、対米輸出が伸びた。

 ベトナム政府はトランプ政権の発表を前に、米国製を含む自動車や農産品などの輸入関税の引き下げを発表。トー・ラム共産党書記長は4日にトランプ大統領と電話協議し、「米国からの輸入品への関税をゼロに引き下げるために交渉する用意がある」と伝えた。トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「非常に有益な電話協議だった」と応じていた。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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