トランプ関税 高率標的の東南アジア、財務相会合で対応協議へ

2025/04/07 21:32 

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 東南アジア諸国連合(ASEAN)の現議長国であるマレーシアのアンワル首相は6日夜、米国の大規模な関税措置に対し、ASEANが団結して対応することを目指すと表明した。東南アジア諸国の多くが高率の「相互関税」の標的になり、経済への悪影響が懸念されている。ASEANは8~10日に開催予定の財務相・中央銀行総裁会議で、具体的な対応を協議する方針だ。

 アンワル氏は6日夜に自身の交流サイト(SNS)に投稿したビデオ演説で、東南アジアは大打撃を受ける地域の一つだと説明。議長国として「ASEANの声を国際社会に確実に届ける」と訴えた。

 インドネシアメディアなどによると、アンワル氏は5日にフィリピン、ブルネイ、シンガポールの各国首脳と電話協議を実施。6日にはマレーシアを訪問したインドネシアのプラボウォ大統領と会談し、「トランプ関税」への対応を協議した。

 ASEAN加盟国10カ国は、シンガポールを除く9カ国が一律関税の10%より高い「相互関税」の対象となった。税率はカンボジアの49%を筆頭に、ラオス48%、ベトナム46%、ミャンマー44%、タイ36%、インドネシア32%、マレーシア・ブルネイ24%、フィリピン17%と軒並み高く設定された。

 地元メディアなどによると、インドネシアとマレーシアの両政府は米国との対話を探り、報復措置をとらない方針を示している。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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