ハーバード大への補助金凍結は「不法」 オバマ氏がトランプ政権批判

2025/04/16 07:12 

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 米トランプ政権の意向に沿った改革要求を拒絶したハーバード大学が、22億ドル(約3156億円)以上の連邦補助金などを凍結されたことを巡り、オバマ元大統領は14日夜、「学問の自由を抑圧する不法で強引な試み」だと非難した。X(ツイッター)に投稿した。

 オバマ氏は、政権の要求を拒否したハーバード大の対応を「知的探求、厳しい討論、相互尊重の環境をすべての学生に確保する具体的な措置を取った」と支持し、「模範を示した」と評価。「他の高等教育機関もこれにならうことを期待しよう」と記した。

 一方、トランプ大統領は15日、「ハーバード大は非課税資格を失い、政治団体として課税されるべきかもしれない」と自身のソーシャルメディアで主張し、さらなる圧力をかけた。連邦税法で大学は非営利公益団体として法人所得の免除が認められている。

 トランプ政権はリベラル色の強い有力大学を標的に、補助金カットをちらつかせながら「反ユダヤ主義的な活動」への対応強化などを求めている。ハーバード大には「米国の価値観や制度に敵対的」な学生への対策やDEI(多様性、公平性、包摂性)の取り組み中止などを要求し、大学は不当な介入だとして拒否していた。

 現状では大学間に連携する動きはみられない。ハーバード大と共に東海岸の名門アイビーリーグを構成するエール大では、900人近い教職員が、政権に屈することなく学問の自由を守るよう求める書簡を学長に送付したことが明らかになった。一方、コロンビア大は、4億ドル相当の補助金や契約を凍結された後に政権の要求を受け入れ、パレスチナを含む中東研究のカリキュラム見直しに着手するなど対応は割れている。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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