核開発巡り米イランが合意 専門家による技術的な交渉を23日に開催

2025/04/20 00:06 

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 イランの核開発を巡る米国とイランの政府高官による2回目の協議が19日、ローマで開かれ、両国は23日にオマーンで専門家による技術的な交渉を開くことで合意した。イランメディアが報じた。その後、26日に高官同士による3回目の協議を行うという。

 技術的な交渉の開始により、今後は合意成立に向けた具体的な駆け引きが活発化するとみられる。イランのウラン濃縮など核開発を制限したい米国側と、一定の核開発を「権利」だとして譲らない姿勢を示すイランとの間で、妥協点を見いだせるかが焦点となる。

 19日の協議は在ローマのオマーン大使館で行われ、前回同様、米国のウィットコフ中東担当特使とイランのアラグチ外相が参加した。アラグチ氏は協議後、イラン国営メディアに「協議は前向きな雰囲気だった」と振り返り、「交渉の原則や目的などについて協議し、次の段階に進むことを決定した」と語った。

 イランの核開発を巡っては、2015年に欧米など6カ国とイランの間で、核開発を制限する代わりに経済制裁を解除する「核合意」を結んだが、18年に第1次トランプ政権が一方的に離脱し、制裁を復活させた。イランは対抗措置として、核合意の制限を超えるウラン濃縮を再開。国際原子力機関(IAEA)によると、今年2月時点で、核兵器級の濃縮度90%に近い60%の高濃縮ウランを推定で274・8キロ保有している。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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