国際司法裁判所で公聴会開始 イスラエルがガザ支援物資を搬入停止

2025/04/29 09:55 

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 国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)で28日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区への支援物資の搬入を停止していることなどを踏まえ、イスラエルの法的義務に関する公聴会が始まった。5月2日まで行われ、約40カ国が意見陳述する。昨年12月の国連総会決議に基づくもので、ICJは数カ月後に勧告的意見を出す見通し。

 28日はパレスチナの駐オランダ大使が「イスラエルはパレスチナ人を飢えさせる一方で、彼らの命を救おうとする人道支援組織を標的にしている」と主張。国連の担当者も「イスラエルは占領者として、人道物資を搬入させる義務を負っている」と指摘した。

 イスラエルは意見書を提出したが、公聴会への出席は見送る方針を示している。エルサレムで記者会見したサール外相は、ICJの手続きについて「イスラエルを迫害し、萎縮させ、イスラエルの自衛権を奪うものだ」と非難した。

 イスラエルは昨年10月、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の国内活動を禁止する法律を可決し、各国から懸念の声が上がっていた。今年3月には、人質解放に向けてイスラム組織ハマスに圧力をかけるためとして、ガザ地区へのすべての物資の搬入を停止し、人道状況はさらに深刻化している。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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